太陽光発電の買い取り制度について

標記について、あまり興味がなかったのですが、どこかの党首さんが「二酸化炭素排出量25%削減」なんて言うもんだから、対策として実施するであろうと予測されるものの中で、各種項目について調査を実施しました。

その中でおそらく最大の物であろう太陽光発電について記載します。

現在の太陽光買い取り制度は、太陽光で発電した電力量の中で、余剰分を買い取るという制度を日本では取っているようです。
ただ、海外では発電した電力量を電力会社が買い取り、使用量は使用量で別途に電力会社が売るというやり方の様です。


図1:発電量全買い取り

図2:余剰電力買い取り

たぶん、図のような感じの制度だと思われます。
発電時の買い取り価格についてですが、どうも11月になると、48円になるようです。今現在の価格は24円なので二倍になったわけですね。
太陽光発電を導入している家庭にとっては、喜ばしいことです。
で、さらに民主党は今の「余剰電力買い取り」から「発電量買い取り」に切り替えたいようです。

どの程度の差があるのかざっと計算してみます。

計算条件
 ・発電時間:8時間/日
 ・発電時間帯あたりの平均発電量:1kw/h
 ・日発電量:8kw
 ・発電時間帯負荷量:0.4kwh
 ・売電1:24円/kw
 ・売電2:48円/kw
 ・買電:21円/kw

買取方式 売上/円経費/円純利/円
余剰*1 115.2 0.0 115.26
余剰*2 230.4 0.0 230.4
全発電*1 192.0 67.2 124.8
全発電*2 384.0 67.2 316.8
*表は一日当たり
*1:売電1のケース
*2:売電2のケース

上記より方式の違いによる状況
 海外方式:発電した分だけ売れるので負荷が発電量を上回っていても儲かる。
 国内方式:発電しても負荷が発電量以上だった場合は儲からない。また負荷分だけ損をする。

「売電>買電」である以上、電気を一番使用していない時間帯に電気を売るのが賢いやり方でしょう。

ここまでで気がつく人は気がつくのですが、これは太陽光を導入して二酸化炭素排出量を削減することを第一に考えていません。
あくまで、太陽光発電で「商売をする」事を第一に考えています。
余剰だろうが、全発電買い取りだろうが、です。

上で述べたように、これは「商売」であり、商売相手は電力会社です。
今の太陽光発電のシステムでは、電力会社の立場で考えると、買いたくないが本音ではないでしょうか。

太陽光発電のような質の悪い使いづらい電力なんて買いたくないし、損しかしない。
けど、政府が脅すから買うしかないし、法令義務化になるから買わないわけにはいかない。

正直、この制度の影響で電力会社は倒産する気がします。
または、電気の単価が上がって「太陽光パネルを設置しないと損をする」という状況になると考えます。

今の状況で何とかなっているのは、太陽光発電している住宅の数も、全体からみれば少ないから、ではないでしょうか。


結論としては、この制度は現状のままでは失敗です。

なぜなら、この制度の影響で

電力会社が倒産する or 電気代の単価が上がる

の二択になる可能性が非常に高いからです。

しかも、さらに「炭素税」の導入とか言ってるわけでしょ?

電力会社が倒産する、電気代の単価が上がる、現状の太陽光発電の売買における問題点を含めて機会を見て記載したいと思いますが、この制度は失敗です。

こんなものに金をかけるなら、「発電」ではなく「省エネ」もしくは「蓄電」方面に金をかけるか、既設の発電設備をさらに効率のよい物に改修する為に金を出した方が効果的と考えます。

個人的には、太陽熱温水器とかヒートポンプ温水器の補助金を上げた方が、二酸化炭素排出量の削減効果がまだ高いと思うんですけどね。