残留塩素測定の有効性

残留塩素測定なるものが存在します。
上水、つまり水道水(下水用とは別)に含まれる塩素量*1を測定するという意味です。

カルキというのは、カルキは本来さらし粉、塩素化石灰の事を指します。
「カルキ臭い」と言う言葉の原因は、原水に残っていた有機物やアンモニアが塩素と反応した結果発生する匂いのことです。

残留塩素測定とは、水の中に含まれる塩素を調べるという意味です。
ちなみに、水道水に含まれる塩素程度では人体に悪い影響は与えないでしょうが、塩素自体は有毒です。

水道水の中に含まれる塩素は日が立つにつれ薄くなり、3日ほどすると残留塩素は無くなります。
カルキ臭い水道水も、3日たてば匂いがなくなるということでしょう。(浮遊物はなくならないんですが)
ただし、塩素が無くなれば水の中での細菌が増殖する。つまり、大腸菌などが発生する事に繋がります。

水道法では、水道から残留塩素が測定されない施設は違法となります。この場合、水道局に問題があるのではなく、該当場所の設備に問題が多いようです。
学校やマンションなどの屋上にタンクが設置してあるのを見たことがあるでしょうか。
中に鳥の屍骸が浮遊してたりという噂など聞いたことが無いでしょうか?
まぁ、噂は噂で実際にはそんな事は無い――――と言うのは妄想で、実際は定期的に清掃が必要なほど汚れており、いろんな物が浮遊しています。
で、水と言うのは定期的に使用されなければ水の巡回が起こらず、中の塩素が無くなり菌が増殖します。
タンクの設置してある設備はそのまま危険で、特に休みに入っている時の学校などは危険でしょう。
もし、大腸菌などが検出されてしまった場合、即保健所の方へ通報しなければならず、学校にいたっては設備が改善されるまでの間、上下水道の使用禁止の状態で学校が運営されるか、または学校自体が休学になる可能性があります。もし、このブログを呼んだ人で学校に通っている環境であり、残留塩素を測定できる環境にある方は、ぜひ一度お試しあれw

ではタンクが設置指定ある施設は全部危険かというと、そうではありません。
法律的にはタンクに定期的に塩素を注入する装置かそれに順ずるものの取り付けが義務付けられているそうです。(どこに書いてあるか知りませんが)
だからまぁ、新しい施設にはたいてい付いてあるでしょうし、古い設備も後付けてつけている“はず”です。

でも付いてない設備は実際に存在します。
2年前の話ですが、某研究施設には付いておらず、周に一回残留塩素を測定し、塩素が検出されなければ検出されるまで水道水を出しっぱなしにする―――と言うことを行っていました。今も行っているかはわかりません。
その研究施設は、ISO14001を取得し、水の使用量削減をうたっていましたが、“20分以上も、施設のすべての蛇口を開放しつづける”行為のどこが、水の節約に繋がるのか不明だなぁと感じてました。
周一で行ってましたし、それなりの量を消費していたので、おそらく月の水道代金としては10万円前後は無駄遣いしている羽目になっていたのではないかと思います。
ちなみに、この10万円の出所は税金です。

*1:塩素は水道水の消毒に使用されており、水道法の規定で、各家庭の蛇口で1リットル当たり0.1mg以上の濃度を保つように規定されている。