側面を特定する行為について

結論から。
ISO14001の規格要求(環境側面)って、馬鹿ですよね」




ISO14001の規格では、「著しい環境側面はEMS運用上考慮しろ」というのが要求です。


つまり、どれだけの数の「環境側面」を抽出した所で、考慮するのは著しい環境側面だけとなります。

P55
4.3.1 環境側面
組織は、その環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持するうえで、著しい環境側面を確実に考慮に入れること

「考慮」なので、著しい環境側面として決定した項目を、目的・目標に入れる必要も手順書を作って管理する必要も、数量や管理・使用状況を監視・測定する必要もないとなります。


ポイントとなるのは、考慮した結果を証明する必要があるということです。
まぁ、手っ取り早く言えば記録です。


目的・目標に入れるにしろ入れないにしろ、考慮した記録の提示は必要となります。
記録は様式じゃなくても議事録でも良いでしょう。
ただし、考慮の手順は確立しておく必要がありますので、その手順に従った結果という形は取らねばなりません。
その手順が「委員会で審議を行い、著しいとするかしないかを決定する」という内容であれば、議事録で十分となります。




余談ですが、不思議な事に「目的・目標」に組み込まれている「著しい環境側面」の「考慮した記録」を審査員に要求されたことはありません
逆に、「目的・目標」に組み込まれていない「著しい環境側面」の「考慮した記録」を審査員に要求された事はあります。


偶々なんでしょうかねー? どうなんでしょう?


審査する側としては、「著しい環境側面が、目的・目標や手順書等で管理されているか?」ではなく、「著しい環境側面がEMSに対して確立された手順どおりに考慮されているか?」をみるのが、正しい審査だと思うんですよね。私は。
なので、「紙、ゴミ、電気」が「著しい環境側面」にあるとかないとか、審査に関係ない。だって、何を環境側面とするかは組織が決定するのであって審査員が決定するのではないのですから。






話を戻します。
規格要求の順番についてもそうなのですが、環境側面を抽出し、そこから著しい環境側面を決定します。
著しい環境側面は、規格では「環境に著しい影響を与える」とあります。
でも良く考えてください。
「著しい」と「著しくない」というのは、どこで線引きするのでしょう?
これは、「組織が決定する」のが規格の内容となります。
同じ業種で同じ事をやっているAとBという会社があったとして、Aという組織では「著しい環境側面ではない」項目が、Bという組織では「著しい環境側面である」という現象が起こっても、ISO14001の規格上は問題ないとなるのです。
変だと思いませんか?
規格を作った人は、馬鹿?と思ってしまいます。
ここで問題なのが、「著しい」「著しくない」というのを組織が決定したとしても、それは客観性に欠けるという点です。
これで良しとしているのですから、ISO14001を認証取得してもそれは客観性がないので、何の為の規格であり認証なのでしょうか?
国際規格? 規格としての重要な部分での線引きが出来ていないような物なんて、実の所「意味が全くない規格であり認証である」というのが、私の考えであり答えです。


なので、結論で言う「ISO14001の規格要求(環境側面)って、馬鹿ですよね」となったわけです。


こんないい加減な規格なんで、審査員の力量が疑われても仕方がありませんよねぇ。
どんなに力量があったとしても、「なんちゃって審査」を超える事が出来ないのですから。