アジア太平洋統合評価モデルって、変だよね。 Q1編
Q1: 新築住宅を強制的に省エネ型住宅・建築物にさせることは、建築費用が既存住宅よりも高額になるために 住宅建設自体が敬遠されて、反対に建築市場が冷え込むのでは?
A1:
断熱性の高い住宅は省エネ性が高くなるともに、住宅内部の温度格差が小さくなり ヒートショックの予防になるなど、快適性・健康面にもおおいにプラスである。 温暖化対策のためだけではなく、むしろ豊かな住環境を整備するといった観点から 推進していくべきである。住宅はそれ自体が高額で、なるべくよいものを買おうと いう意識も強いため、断熱住宅の副次的効果をうまく伝えることが重要である。
また、施工者のトレーニングとともに、高断熱住宅の普及を進めていくことで、工法の工夫、 部材の調達面なども含めて、総合的な価格の低下も期待でき、それは更なる普及の拡大に繋がる。 「建築市場が冷え込み」断熱対策が進まないという指摘だが、費用は裏を返せば市場である。 断熱対策を進めることで建築市場(特に冷え込みの厳しい地方の市場)の活性化と、 国民の生活の質の向上の両立が期待できる。
上記の回答について、質問に対して答えになっていない と言う突っ込みを読みながらしました。
質問の内容は、
・省エネ住宅は普通の住宅より高い。
・消費者は高い住宅を買わない。
・高い住宅ばかりでは、消費者は新築物件は買わない。
・新築住宅が売れなくなって、業界が冷え込む。
これに対して回答が、
・省エネ住宅は快適なんだ。
・消費者は良い住宅を求めているんだ。
・お前らもっとそういうのをアピールしろ。
・数を捌けば値段も下がるだろ。
というものです。
いやー。笑っちゃいますよね。
質問の内容は現在の状況についてなのに、回答は未来の状況についてです。しかも、明るいお花畑をイメージした未来です。(期待できると言っているのがその証拠で確証のある証拠データを提示しているわけではない)
価格低下について、根拠の論証が不十分ですね。材料費が下がらないと、値段も下がらないでしょ。
数が売れれば材料費が下がる見込みや情報でも持っているのでしょうかね?
工費について、価格低下は微妙です。
工法が変化(作り方が変わる)しますので、それに対応するための教育や実績作りが発生する為、初期は価格がさらに上昇するのではないでしょうか?
微妙といった理由は、工法が変化する事で工事難度が簡易化するのか難度化するのか分からないからです。
同じ工法で同じ形状の家しか作らない。と言ったやり方なら、値段は下がるでしょうけど。
そもそも、「省エネ住宅=快適住宅」というのは、間違いです。
まず、居室の温度を逃がさないということは、高断熱が高い空間を作っているわけです。高断熱については回答で述べていますね。
エネルギーの移動がない=空気の出入りがない。これは、換気や二酸化炭素濃度、湿度の問題が発生します。
これって快適ですか?
これを改善する為に、断熱性の高い部屋では、空気の出入りがない為にロスナイ運転(全熱交換)を運転しなければなりません。
換気扇(モーター)を動かすわけですから、電気を使用する=エネルギーの消費となります。
省エネですか?
明かりについて、天井光を取り込んだり、窓からの光を取り込んだりする設計もあります。
自然の光を取り入れるので、照明に使用するエネルギーの節約になります。
ただし、熱交換の問題があるので使用できるガラスはペアガラス(真空断熱)でなければなりません。
ペアガラス、高いです。
窓の面積が多くなる=高価なガラス代金が追加で発生。
また、ガラスである以上、汚れます。こまめな清掃が必要です。面積が多くなればなるほど、清掃時間が長くなります。
窓拭きの手間が余計にかかる家
これって、良い住宅ですか?
それだけではありません。
天井の窓を拭く為に天井に上らねばなりません。安全面の問題が発生します。
それに対応する為に何らかの対策(費用)が発生しませんか?
また、「費用は裏を返せば市場である。」と回答しています。
これ、上乗せ費用=工賃であれば、労働市場の活性化に一役買うでしょう。
ですが、中身をみると「上乗せ費用=部材費」と言うのが現状です。
原価100円のジュースを120円で売って原価80円のジュースを100円で売っても、定員さんの人件費にほとんど影響はありません。
それとも、人件費に影響を与える為に、原価100円のジュースを140円で売るのでしょうか?
見通しが甘い気がします。
仮に、費用が高くても経済活性化になるとするとします。
ですが、部材費を安くする為に海外で生産や海外から購入した場合、市場は国外にあるわけですから、建築市場が冷え込む結果となります。
一体、どういう計算をしたのでしょうか?
ぜひとも、算出根拠の詳細なデータを見てみたいです。