日本の経済状況はとても深刻。TPP参加しちゃダメよ。

職場で、円高でも日本は貿易黒字だと言う方がいらっしゃったので、赤字ですよと教えてあげました。
第二次石油ショック以降の大きさという事で、本来ならもっと危機感を持たなければなりません。

じゃ、実際どういう状況なのか?というのを調べてみました。

貿易の推移(対世界)

年 ・ 月 輸 出 伸び率 輸 入 伸び率 差 引 伸び率
2010年09月 5,839,635 14.3 5,065,321 10.3 774,314 49.6
2010年10月 5,722,496 7.3 4,909,869 8.9 812,627 1.6
2010年11月 5,439,804 9.1 5,282,184 14.3 268,620 -56.8
2010年12月 6,112,001 12.9 5,392,443 10.7 719,558 32.6
2011年01月 4,970,283 1.4 5,449,689 12.2 -479,406 -
2011年02月 5,589,002 9.0 4,938,675 10.0 650,327 1.9
2011年03月 5,861,236 -2.3 5,674,899 12.0 186,337 -80.0
2011年04月 5,156,620 -12.4 5,624,307 9.0 -467,687 -
2011年05月 4,760,016 -10.3 5,617,321 12.4 -857,305 -
2011年06月 5,775,551 -1.6 5,708,215 9.8 67,336 -90.0
2011年07月 5,781,017 -3.4 5,713,153 9.9 67,864 -91.4
2011年08月 5,356,557 2.8 6,133,801 19.2 -777,244 -
2011年09月 5,980,681 2.4 5,680,257 12.1 300,424 -61.2

(単位:百万円,%)
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2011_09.pdf

上の表は対世界ですが、アジア、EU、米国は軒並み黒字に対して、対中国は殆どが赤字です。

では、輸出入の平成23年上半期分の赤字国を並べて前年度差引と比較してみると下記の通り。
(確報)

国名 平成23年上半期分 平成22年分
中華人民共和国 -555,988 -327,395
マレーシア -410,232 -442,817
インドネシア -732,127 -1,081,720
ベトナム -46,649 -152
オーストラリア -1,478,241 -2,531,128
ニュージーランド -60,767 -70,957
カナダ -185,103 -141,430
ブラジル -224,322 -316,545
チリ -312,731 -440,728
フランス -156,296 -316,780
イタリア -94,202 -105,304
スウェーデン -24,538 -20,471
アイルランド -130,083 -298,318
スペイン -11,629 50,005
ロシア -280,440 -709,285
アラブ -1,431,714 -1,926,186
サウジアラビア -1,747,319 -2,581,427
クウェート -430,738 -776,503
イラン -468,576 -797,948
南アフリカ -185,319 -300,779

ソース元
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2011/201125e.xml
平成23年度の数値は上半期なので、数値としては半分くらいで、実際はこの倍くらい行くんじゃね?と思ってよいかもしれません。
スペインは昨年度貿易黒字だったのに対して、今年度は赤字に転落しています。
昨年に比べ、すでに赤字額が上回っているのは、中国、ベトナム、カナダ、スウェーデンの4カ国。
黒字国でも、昨年度に比べて大幅に収入源があるでしょうから、これを回復させる事が出来るかが、各企業の腕の見せ所でしょうか。
ただ、相手先のある企業だと、取引先を変更しており、回復の見込みなく倒産というケースも多いでしょうから、そこをどう国が支援するかがポイントになるんですけどね。

工業用品の原材料輸入は切り替えが難しいという欠点はありますが、農業用品(農作物)は、輸入から国内生産に切り替えて雇用を確保し、貿易黒字を伸ばす(赤字を減らす)という方向も十分検討価値があるんですが、、、、TPPに加盟するとか言ってるバカがいるから、難しいでしょうねぇ。

日本にとって、最大に輸出国はどこか?

アメリ 9,249億円
EU 7,194億円
アジア 3兆2,101億円
中国 1兆1,105億円

財務省の出してる、これを見ると一目瞭然ですね。
アジア市場の方が大部分を占めている事に。
では、現在参加している国は?
シンガポールブルネイ、チリ、ニュージーランド
交渉表明
アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー
参加意欲
マレーシア、コロンビア、カナダ


東アジアの参加国は6カ国中0。
東南アジアは、11カ国中3。
南アジアは9カ国中0。
西アジアは18カ国中0。

とまぁ、このような状況下にあります。
日本としては、アジアが殆ど参加していない時点でメリットなしなのは一目瞭然。
連携協定の対象に、エネルギーや工業の原材料が含まれていないのもデメリットの対象でしょう。(日本は原材料の輸入国だから)

連携協定の対象

  • 工業製品、農産物、繊維・衣料品の関税撤廃
  • 金融、電子取引、電気通信などのサービス
  • 公共事業や物品などの政府調達方法
  • 技術の特許、商標などの知的財産権
  • 投資のルール
  • 衛生・検疫
  • 労働規制や環境規制の調和
  • 貿易の技術的障害の解決
  • 貿易紛争の解決

技術大国でもある日本は「技術の特許、商標などの知的財産権」は、かなりの損失を招きます。
アメリカあたりは「俺は開示しないが日本は開示しろ」と要求してくるでしょうし、それが普通にまかり通るのがTPPです。なぜならアメリカが議長を務める予定ですから。

また、国連と同じでTPP協定に投資の要求を突き付けられますので、現在の参加及び参加表明等を行っている国よりも、多額の投資を要求されるのは当然のことです。

日本にはそんな余裕もないですし、国債も1000兆超している今、TPPに参加なぞしたら、さらに借金抱えて日本はデフォルトしてしまう。
いま、日本に必要なことはなにか?

明確なメリット具体的に提示が求められているといえましょう。


ちなみにこの件で
「リーダーシップを発揮」
という奴はもうね、バカかと、アホかと思います。