原子力発電所は必要か?

原子力問題には様々な問題がありますが、各新聞社ともに様々な形態で取り上げられています。

電源利権はめんどくせぇなぁと思いつつ、昨年に記載した記事を踏まえて再考察してみたいと思います。

日本の今後のエネルギー計画について(1/4)
日本の今後のエネルギー計画について(2/4)
日本の今後のエネルギー計画について(3/4)
日本の今後のエネルギー計画について(4/4)


前回の考察における最大の関心事は、「電力の確保」でした。
ですので、各発電による電力依存度をしらべ、今及び今後の電力需要の傾向を予測し、原子力発電からの脱退が可能かどうかという事について記載し、結果として「原子力発電からの脱却しても需要は十分賄える」と言う結論に達しました。

次の論点としては考えられる点として
1.燃料の確保
2.原子力技術の保持及び研究
この辺りでしょう。

中には「原子力発電による電気の単価」等もあるでしょうが、原子力発電による電気の単価は風力以上太陽光未満と言う認識ですので論点になりませんし議論する気もありません。*1
原子力による発電単価は安いという認識とデータがありますが、あれは国からの補助金やら助成金原子力発電所を運営する事により存在する独立行政法人等の各法人団体の運営費などは「一切数値に反映されていない単価が使用されている」懇意的な数値です。また、数十年運用して電気を売り続けるというトンデモ前提によるものです。

いちいち情報ソースは提示しませんので、疑問のある方はググってください。*2

懇意的な数値が正しいと仮定するのであれば、単価は火力発電と同様程度なのに、なぜ「電気代値上げ」の話が出てくるのか?
石油の値上がりを上げられる人もいますが、LNG及び石炭の単価は変化ありません。つまり、原子力発電で懇意的な数値得を使用するのであれば、電気代値上げの話が出てくる事は矛盾するわけです。

電気代を上げなければならない理由は、発電をしなくても発生する「原子力発電所の維持費」の為でしょう。稼働停止が継続する事により赤字が発生し続ける為、その補填に「電気代を上げる」と言うのが感想です。
このような失態に対するケツを国民に吹かせようとする行為は許されてはいけません。

1に関しては、燃料が枯渇するという話はありません。現在発見されている石油燃料だけでも40年です。最低限40年は持つ計算です。この数値は現状の物であり、調査拡大する事で新たに発見される見込み分は含まれていません。
「枯渇するから価格が高騰する」
というマネーゲームをやりたい石油会社の思惑に乗せられるのは阿呆ですから、はっきり言って無視してよい数値でしょう。
また、日本は何も「石油に依存している」と言うわけではありません。*3
他にも石炭、LNG等の燃料にも依存しておりますので、一度に資源が枯渇する事はないと考えるのが一般的でしょう。*4
ですので、燃料が確保できないという事はないと考えるのが適切です。
派生する論点としては「輸入燃料依存度を下げる」「価格変動に影響しない燃料に代替する」と言うことであればまた別となりますが、これについては議論が長くなるので今回は割愛します。


2番目としては、科学大国としての意地もありますから、原子力の研究は継続するべきでしょう。ただし、原子力発電所の運用と研究の継続はまた別です。
不具合や理論を立証する為に原子力発電所を維持運用するということは十分理解の範囲にありますので、全くなくすという考えはナンセンスとも言えます。
ただし、位置づけは「原子力発電による商売」ではなく、「原子力実験発電所設備」と言う位置づけで、「実験余剰電力を電力会社に売却する」と言う方向にもっていき、管理は国(この場合は文科省でしょう)が実施方向で調整するというのが、落とし所だと考えます。

少なくとも原子力発電で商売するのであれば、廃棄物処理技術が確立してからやれって話ですわ。

以上の観点から原子力発電所は不要というものとなります。
(そもそも核技術保有発電所保有は別の問題で同じテーブルに挙げるべきではないのかもしれません)

そもそも、根本にあるのがライフライン(電源利権や水道利権、ガス利権)にかかわる利権を確保し続けたいというものだから、賛同を得られないんですよねぇ。


新エネルギーへの代替とかそのあたりは表題と変わりますので別途検証という形にしたいと思います。

*1:通常国会を通らない表に出てこない予算を使われているので正確な単価は出ないし

*2:「原子炉設置許可申請書」に記載されただけでも十分見るに値します

*3:化石燃料には依存していますが

*4:一方の化石燃料が枯渇する事で残った方の需要が高まり一気に資源の消費が進むという考え方はありますが