国・都道府県の責任問題



まず、これは愚痴です。


話は産業廃棄物に関することなのですが、それに関らず行政が出す許可について。
 耐震偽造問題で行政の責任問題について言及されていましたが、実際は行政はどのような責任を負う必要があるのかというと、どうやら行政は許可を出す権利を有してはいますが、その権利にかかる義務、ここでは責任になりますが、そういったものは存在しないような感じです。すべてにおいてそうなのかどうかというと不明なのですが。


産業廃棄物に関る部分についてに限定させていただきます。


 行政というのは、資料がそろっていれば、その内容の有無・程度に関らず許可を出さなければならないという絶対の法則があります。
資料がそろっていれば良いのではないか?という疑問もあるかもしれませんが、その資料が正しいかどうかの検証を行う義務もなければ権利もないため、出された資料はすべて正しい物として処理しているのが実態であり法律でそのように決められているというすばらしき状況でした。調べた限りでは。


 例えば、産業廃棄物を処理する為に必要な書類を産業廃棄物業者が提出し、県がそれを見て産業廃棄物処理に関する許可証を出します。
 そして、産業廃棄物が発生した業者・団体・個人はそれを処分する為に、運送業者に委託し運送してもらい、産業廃棄物処理業者に処分を依頼します。
産業廃棄物を処理する業者は、県が許可した業者でなければ法律違反になります。


 そして、産業廃棄物を処理する業者の処分場で、法律違反になる処分方法で廃棄物を処理していた場合、その産業廃棄物を処理する業者に依頼した側責任を問われ、許可を出した行政には一切の責任はないと言うのが実体となります。
これは、「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」(3条)と定める「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、産業廃棄物は、排出者に処理責任がある。となっている為です。


宮城県は、廃棄物の処理を委託する側、委託する前に県が産業廃棄物の処理を許可した処分場に行き、法律に違反するような処分をしていないかを現地にて確認しなければならないという内容の県条例を作りました。


もう一度言います。
行政は書類がそろっているか、不備の有無の確認はしても書類に記載されている情報が正しいか正しくないかの確認は行わない為、書類の情報が実は正しくない、書類上では見えない法律違反をしている業者に対しても、許可を出す義務があるのです。
そして行政は何か問題が起こっても一切の責任を取らない許可を出した責任を取らない。責任を取らずに済む様に法律で守られているのです。


事業所の中には、廃棄物がある程度溜まった度に業者に依頼をする形式をとっているところも多いでしょう。
もちろん、廃棄物がある、ないに関らず、定期的に業者が廃棄物を回収して廃棄する契約をする、コストが高くつくやり方をしている所もあるでしょう。


後者の場合なら、年に一回か数年に一度で十分ですが、前者の場合だと契約の度に現地確認をする必要があり、契約回数が年に2回以上(大体3回)行う当方の事業所では、年に2回以上現地に行って、法理を守っているかどうかを確認する義務が発生します。






ふざけるな!!(怒)




これでは、委託側は何の為に許可証のある処分業者に処分を依頼しているのかわかりません。
 本来なら、処分業者の不備に対して、委託側が追う責任は「過失責任の原則」が適応され、いたく側に過失がなければ民事上法的責任は発生しません。この場合、責任を負う事になるのは処分業者になりますが、法的に守られているとはいえ、許可を出した行政の責任問題を問われる事は必須となります。


宮城県は、責任を取りたくない為このような法律を作ったのでしょう。
 よく考えればすぐにわかりますが、宮城県の産業廃棄物処理場に委託する業者の数は相当数にのぼりそのすべての業者が委託の度に産業廃棄物処理場に赴き処理内容を検証することになります。
処分場業者は、県条例で定められた法律に則りやってきた委託業者すべてを対応する義務が発生します。
なんと、効率が悪いことをやらせようとしているのでしょうか。


むしろ、県が産業廃棄物に詳しい弁護士又は専門家に依頼して、年に1回処分場を検証すれば十分でしょうに。
また、県自体が処分場を視察・指導を「行っているらしい」ですが、でが「指導を行った処分場」も「視察対象」にするのか? という疑問あり。
「処分場が多くて手が回らない」というのが「県の回答」であるが、では実際1年間にどの程度の数の処分場を視察・指導しているのか明瞭にして欲しい。


宮城県はこの県条例制定後に説明会を開いたそうですが、、、ぶっちゃけ、馬鹿だろ宮城県




条例
http://www.pref.miyagi.jp/haitai/osirase/tj0510.htm
施行規則
http://www.pref.miyagi.jp/haitai/jyourei/施行規則.pdf


ちなみに、仙台市は適用範囲外です。




 契約に関る部分なので担当外なはずですが産業廃棄物の管理についてはこちらの担当で処理業者の手配までこちらで行っている*1が、実際の契約は管理課の仕事であり、処分が適切に行われた、行う能力を持っているかどうかの確認は、契約担当者の仕事の範囲に入るので、こちらでは行わない方向でやりますが。どちらにしても、外部から見れば同じ事業者の範疇なんですよねぇ(苦笑)
年に一回、電話口頭にてISO14001に関る条例新設、改訂の確認を行っていますんで、その時についでに質問事項をまとめて聞いてみようかなぁと思うこの頃です。

*1:本来は担当外に当たるが、適正に行われているかどうかを見る必要があり、またその方が効率的なので