若手・女性研究者へ予算を付ける前にやることがある。

結論から
「必要ない」




他にやるべき部分のウェイトが大きいのに、その優先順位を無視して若手の研究設備に予算をつけては駄目でしょう。




事業仕分けの時の「二位じゃだめなんですか?」の時と同じですが、文科省の人間って無能ぞろいなんでしょうか?


あの時もちゃんと説明できていれば良かったのに説明できず、結局はいろんな人が異論を各方面で発言して撤回という形となりました。


結果として、文科省の担当者達は彼らに助けられた形となります。


「一位じゃなければ駄目です。二位だと各技術の特許権利を失い、結果として“技術を利用するにしてもお金を支払わなければ使えない”という結末になります。逆に一位であれば特許を得る事が出来、結果としてライセンス料を得る事が出来ます。よって一位じゃなければ駄目です」


といえば、レンホーさんだってちゃんと理解できたし納得したでしょう。
お金の金額が必要なら、今のパソコン市場の規模がそれですと答えれば良いのに。
仕分けなんて「予算の削減を目的としている」んですから、お金に絡めて言えば問題なし。
逆に「この予算だと一位を取る事は難しいので、もっと予算を付けてもっと人員を強化する必要がある」
と言い、現在でも市場競争で後れを取っている事を説明し、予算の増額の必要性を訴えれば言えばいいのに。


今回の件もそうです。
文科省、若手・女性研究者の研究設備支援対象事業14件を選定






日本の研究設備、主に大学とかですが、非常に古い状況である所が多いのが現状です。
まぁ、日本は古い以前に私立の大学の数が多かったりとそれはそれでいろいろ問題点があるのですが、、、


日本は科学先進国・技術大国として技術者の養成を推進してきました。
いまいちイメージがつかないかもしれませんが、簡単にいえば「大学に行く子供が多くなった」と言うのがその結果です。
しかし、現状は「遊ぶために大学に行く」「みんな行っているので大学に行く」「学歴社会だからしゃーないだろ」が大部分で、本当に技術や知識を学ぶ事を目的として大学にすすむ人はどれだけいるんでしょうか?
大抵が、高校の時の自分の学力にあった大学を、なんとなく選んでいる状況で、大学で行われている事、その大学の特徴と言った所まで見ているのでしょうか?(特殊な学科を先行していると言うなら別でしょうが)


話を戻しますと、若手や女性研究者の研究設備対象事業にお金をつける。
悪いとは言いませんが、順番が違います。


第一は、文科省の取りまとめ部門の正常化
「一位じゃだめなんですか?」のやり取りでわかったように、研究内容を取りまとめている文科省の部門が機能していません。
税金泥棒状態なので、まずはこの部門が正常に動作させることが第一となります。
第二は、研究員の正常化
研究員は定期的に論文を書かなければなりません。
ですが、会計監査院でも指摘されていたように、お金を貰っている以上、守るべき義務を果たしていない研究員が残念ながら存在します。
よって、研究員の整理を含めた正常化が必要です。
第三は、老朽化の対策
現在存在する研究設備。設備である以上、老朽化はするし維持にはお金がかかります。
維持運営を含めた老朽化対策をどうするか?というのをきちんと検討する必要があり、これは非常に重要でしょう。
第四は、施設の効率化
スーパーコンピューターを含む空調管理が重要な設備は、夏でも涼しい北海道や標高の高い場所で管理・研究することで、エネルギー使用量の効率化を図る。
あれだけ涼しい環境なんだから、フィルターかました外気空冷システムで空調負荷を抑えるだけで、年間の電力容量は大幅に削減できるでしょう。
運用面での設備維持費は億単位で削減できます。
問題は大電力を必要とする為、インフラ整備を整える必要があるでしょうが、山真ん中のそんなの発電所の近く造るとか、太陽光といった新エネルギー研究で発電したエネルギーを流用する(新エネルギー研究所も同セクションに移設になるが)など、利用方法は様々でしょう。


国の研究機関のエネルギー(電気)を民間から買うというのは、そもそもどうなの?ってところもありますけどね。(CVCFあるからいいのか?)




そういう意味では、国際宇宙ステーションの維持管理の必要性についても疑問です。
夢はあって良いのですが、その夢に対してかける予算が一兆円ってのはどうなの?
ステーションを維持する方向じゃなくて、他の方向で夢に対してお金をかけるとか出来るんじゃない?
まずは有人宇宙飛行を達成して、日本独自でステーション計画をぶち上げるとか、月面基地計画を立てるとかやってるのを加速させるために、そっちに予算を多く回すとか。


政治的問題なのでしょうが、学術や科学と政治は切り離せよ。
第五は、技術伝承
ようは、後継者問題です。
民族品や刀、和紙等の昔ながらの手法で作れている製品などで、後継者問題があるように、研究に関しても後継者問題があります。
「なんのこと?」
と思うかもしれません。
実の所、「研究者にも定年がある」のがこの世界です。
再雇用制度等もありますが、基本的に60歳になったら研究者と言えども定年を迎えます。
50歳近い研究員が、新たな研究テーマを準備し、予算を要求してそれが通る。
良くある話です。
分かる人は分かりますが、研究や開発は10年で終わるような物ではありません。
しかし、定年まで10年の人がこういう事をやると、研究が終わる前に定年を迎え、研究自体が停滞しぽしゃる。
良くあることです。


原因は、後継者、技術伝承の問題です。(もちろんそれだけではありませんが)
年間五億の研究費が付いていたとすると、10年で五十億。これが無駄になるわけですね。
馬鹿らしいと思いません?
新しい事をやる前に、今やっている研究を引き継がせ、結果を出す事の方が重要でしょう。
結果が出れば、その内容にかかわらず情報として蓄積され、それに類する研究に対して財産にもなるんですから。
第六は、情報の共有化
結果が出ており、その情報を閲覧できるのに研究員はそれを知らず、同じ研究同じ実験を繰り返す。
本来こんな事はあってはならない事です。
文科省の人間は選別し、予算を付けない事が重要ですが、彼らは無能ですからそれは期待できません。
実験一つについてもお金がかかります。
シュミレーションとしても、そのモデルを作成する必要がありますから、やはりお金がかかります。
研究員が、自分の研究する内容に近い物をきちんと検索出来れば良いのですが、現実は出来ていません。
出来ている人も多いですが、「非常に時間をかけている」と言うのが実情です。
理由は、研究論文なんてのは「星の数以上存在する」と言う事です。
なので、効率良く情報を収集するシステムと効率良く情報を分類するシステムと迅速に情報を検索できるシステムを準備し、研究員の負担を軽減する必要があります。
第七は、人員整理
研究員、現状で余りまくってます。
類似したり同じ研究を複数の研究員が個別に独立して行っていたりもします。
技術伝承でも言いましたが、人が余っているのに、技術を伝承する人が居ないという状況は改善しましょうよ。
個人的には、知識も経験も不足している若い研究員に新しい事をやらせるのは時間の無駄です。
まず、若い研究員がやりたい内容に類する研究を行っている人の下につけて、そこで知識と経験を積ませ、技術と設備を引き継がせて〜と言う流れを作りましょう。


辛うじてこの流れが出来ていそうなのは大学ですが、その大学もどこまで出来ているか、、、
第八は、固定資産の整理
第七でも述べましたが、設備の引き継ぎの問題です。
研究を行う上で重要なのは、机上の空論ではなく実測です。実測を行う為の設備も必要となります。
設備を持つと維持管理が必要となるだけでなく、法的な要求もありますのでそれに基づいた事務作業や手続きも必要となります。
つまり、設備を使う人が一人でも、維持と管理をする人と事務的な作業をする人が必要となります。
ここでの主張は、「使わなくなった設備はさっさと潰せ」です。


地元住民の反対がすごいので、設備を潰して事業所を畳むってのは、なかなか出来ない面が強いですが、無視してさっさと撤退しろ。


それだけではなく、「使用頻度の低い設備もさっさと潰せ」です。
専門性が高すぎて〜と言うのもありますが、惰性でそこの設備を使っているなんていのもあります。ちょうど都合がいいからそこの設備を使っているというのもあります。
そういうのも、もうやめましょうよ。




上記より、標題及び結論となりました。