IISOの信頼性が低下しているという根拠

結論から。


信頼性が低下した要因はあれど原因は不明である。






大体、この手の文言を言う人は、低下しているという証拠はなく、主観でものを言う人が大半でしょう。






図はISO9001とISO14001の登録件数の推移グラフです。*1
QMSは2006年頃、EMSは2009年頃がピークで、右肩下がりなのが分かります。


JABの「信頼性が低下」と言うのは、本音は「信頼性」を問題にしているのではなく「登録件数が減る事で収益が減る」と言う部分を問題視しているだけで、直接その様な事が言えないから、登録件数の低下を信頼性の低下と位置付けて、手足である審査機関の尻を叩いているだけですね。
とはいいつつ、QMSの登録件数の低下は半端ないですから、全くないとは言えません。とはいっても、「メリット=信頼性」かどうかは不明です。




次に実際の企業側の考えはどうでしょう?
JABは「EMS運用状況報告書」と言うものを発行しています。
そこでは、2004年くらいでは、内外へのアピールや意識付けが上位に来ていました。
しかし近年は外へのアピールはなくなり、主に内部及び取引上の要求が上位に来ているという状況です。
*2




まず、下記のようなJABが掲載している記事がある。
http://www.jab.or.jp/news/2007/070116_3.html
http://www.jab.or.jp/news/2007/070517_1.html
要は、企業側がデータを改ざんしたから信頼性を損なったというものだ。


確かに、企業がデータを改ざんし問題が発生すれば企業の信頼は落ちます。

だけども、それがISOの信頼性低下に即座に結び付くわけではない。

認証機関としても騙されていたわけですから、その様に弁明をすればいいだけの話です。

ISOという看板に泥は塗られた形でも傷をつけられたわけではない。



問題は、データを改ざんしてないのに問題が発生した場合でしょう。この場合は看板に傷が付く形になります。
あくまでデータ改ざんは企業側の信頼性を損なう原因となっても、ISOの信頼性を損なう原因ではなく要因でしかなく、
JABは信頼性低下の原因が企業側のデータ改ざんであると言う因果関係は説明していないのです。


以上の事より、私の調べた範囲では少なくとも要因はあれど原因はないと言うのが回答です。




ただし、要因が集まれば原因となる。と言えなくはありません。
例えば中国のISO9001はどうでしょうか?
中国でQMSを認証している企業の品質を信頼できるでしょうか?
大半の人は信頼できないと答えるでしょう。あの国ではお金で認証が買えるからです。
ではこれを改善するにはどうすればいいのでしょうか?
簡単です。審査側がモラルをもって、記録の確認だけでなく記録に書かれた数値の真偽の確認をすればいいだけの話です。


あれぇ〜? 結局審査側の力量不足が問題になったという形になったぞ。
となると、データ改ざんと信頼性低下は、要因ではなく結果にすぎないということになります。
審査員がいい加減な審査を行った結果、企業側になめられてしまい、問題が発生して信頼性が低下したと。
あら、原因が分かりましたね。認定機関であるJABがきちんと審査員を教育・監査・検査をしていないから審査員の力量と品質が要求レベルに届かずに、信頼性低下と言う結果が発生したというわけです。




あ〜よかったよかった。結論が出ましたよ。
JABは自らの怠慢によって自らのブランドの価値を落としたと。(もちろん、JABを監査する側の力量不足が招いた結果でもありますけどね)
もちろん、審査機関にも問題はあるかもしれませんが、客商売と言う特性がある以上、審査側に対しても企業側に対しても改善を要求するのは、飢えて食べ物を盗んでいる子供に対して「盗みは駄目だよ」という馬鹿な説教をしているのと一緒なわけです。




結論そのに
ISOの信頼性低下の原因は、JABの力量と能力不足によるものである。

以上

*1:データはJABのHPより

*2:まとめてもよかったのですがめんどくさいので割愛します