ダイソーの100円 LEDランプの改造

大震災時、皆さんはどこにいましたか?
帰宅難民になりませんでしたか?

私は青函トンネル内にいました。
ええ、電車(スーパー白鳥)はトンネル内で止まりましたとも
その日は車中泊でした。

色々あって、家に帰れた日は3月25日になったわけですが、、、

ともあれ、今は企業でいえば「非常用発電機」がバカ売れ。個人でいえば「ラジオも聞ける手回し発電機タイプのLEDライト」なんかが売れているようですが...
*1

まぁ、そんなわけで個人的にも色々対応しようとこそこそやってるうちの一つが、中間報告できるレベルになったので公開してみます。

購入したのはこれ



スイッチを押すと4個のランプがつくタイプではなく、白色LED2個が付くモードと、イルミネーション点滅型LED2個が付くモードに切り替わるようです。
キャンプでイルミネーション点滅するモードって使わないんじゃね?と言う疑問がありますが、そこはさすが中国(メイドインチャイナなので)。



夜な夜なキャンプ場では怪しく点滅を繰り返すランプを持って踊る風習があるんでしょうw







センスが違うと評価しておきます。

で、このライトの評価から。
「乾電池三本使用」と言う部分にひっかかりを持ちつつ電池を用意して点灯した感じでは明るい。
LEDを知る人ならわかるでしょうけど、電源電圧の変動範囲は2.4V〜4.5Vになります。
砲弾型LEDでは、順電圧(Vf)は一般的に3.2V〜3.8Vの範囲内に収まるでしょう。

使用されているは砲弾型LED(?)と言う感じだったのとデータシートが無いので何とも言えませんが、どうにも連続使用には向いていないんじゃ?と思わせる製品です。

さっそく分解して中の回路を見たのがこれ

抵抗すら入っておらず、電流制御する気が全くなし。
なんといいますか、電池が無くなる前にLEDが壊れそうな品物です。











あまりにも不安で実用に向かないのが分かり切っていたので*2改造した回路がこれ。

切り替えスイッチだったんで、昇圧モードと電源じか取りモードにしました。

3Vくらいで安定降圧させたかったんですが、電池容量が減るに合わせて電源電圧が下がるので、途中で昇圧させるのははっきり言ってめんどくさい&サイズ的に無理ぽ。
でこの回路にしました。

定電圧ダイオードを使用するのも考えましたが、何だか電気がもったいないかなと思いましたし。

動作的としては、5Vに昇圧します。
HT7750Aの動作範囲より、電圧が一定レベルまで下がらない限りは、安定した電気を供給できるので、安定した明るさを担保できるのが特徴です。

電源の電圧が下がりすぎると負荷に対して供給が追いつかずに暗くなりますが、そこは電池交換サインと言う事で。

一応、計算上は図の様な動作をすると思ってます。

素子は雷神を使用しています。

電源が6Vなら、白色LED二つを直列にする事も出来ました。
12Vまで昇圧してやれば、LED4個直列に(これが一番スムーズかも)
ただ、それをやらなかったのは昇圧時の変換効率の問題があった為です。
12Vに昇圧しようとすると、変換損失が40〜50%。これだと、エネルギー効率はLED+抵抗とたいしてかわんねー。と言う理由からです。

それなら電流制御回路を組んで、トランジスタを使ってミラーリング……も考えましたが、電圧変動の大きさと初期電圧が4.5Vは不安だったためです。

電池2個使用に変更して3.3V昇圧と言うのが一番だったのかもしれませんが、発展性を考えて電源を5Vにしました。
ようは、いざとなったらUSBから電気を取ろうという目論見でこうなりました。
(今回はそこまで対応してませんが)


雷神のVfは3V〜3.6V。2Vほど余裕があるから、抵抗ではなくいっそ赤色LED(Vfが1.8V〜2.6Vの為)使えば、抵抗による損失を軽減できるじゃないか!! それに疑似白色は赤色成分が不足してるし!!。と思い、白色LEDと赤色LEDのコラボにしました。

特徴として、入力電圧は5Vを見ていますが6Vでも余裕がある感じになっています。
なので、手回し発電機等の電源取出し口(携帯電話等を充電する為の奴)で、6Vの場合でも使用可能。



で、出来上がったのがこちら

グレアが気になったので、ランプの透明プラスチックの部分に手で切れる白濁セロテープを一回巻きで張ってます。
多少はグレアが改善されましたが、中の素子がぼんやり見えている関係で、グレアは発生します。

もう二回くらい巻いたらグレアは完全に改善されそうな感じではあるのですが、光束損失が気になったのでやめました。

点灯時の写真がこちら。


ちなみに、白いプラスチックケースの上に置いて点灯しています。
赤のLEDを使用した為か、ピンクの照明が出来てしまいました(笑)





評価結果

ダイソーの100円ショップでは、改造してもおもちゃの域は超えないぞ。

以下に根拠を場。


10畳の部屋で使用した感想では、
文庫の文字が満足して読めるほど明るくはないが、どこに何を置いてあるのかはわかる程度には明るい。
と言う感じです。
ランプ傍なら本を読むのは十分な明るさはあります。

これが個人的な感想です。


と言ってもこれでは客観性に乏しいので数値で計算してみます。

ttp://www.tozaidensan.co.jp/lamps/denkyu/midlamps3.htm

ナツメ球や蝋燭の全光束が20〜30lm程度
20W白熱電球が175lm
懐中電灯等で使用されているクリンプトン球が11lm(電池二個)〜50lm(電池4個)程度

雷神はVf3V時で大体20mA流れる(過去の実測より)感じです。
公称では20mA時で150lm/Wと言う事なので、逆算すると9lm程度 (50mAの時の全光束は20ml)
赤色LEDの光束値が分からないのでとりあえず1lmとしておきます。

4列状況なので、単純計算で40lmと言う結果となりました。

クリンプトン球使用クラス。1000円くらいで買える電池式のランタンとほぼ同性能。
手回し発電機機能やラジオ機能が付いているのと比べれば断然こちらの方が性能が良い。
(ただし、5千円とかいくやつになると200lmとか行くので、それと比較するとへぼい)

消費電力差を計算すると、クリンプトン球が1〜3W(電池3個使用時と同等だから2Wくらいかな)
今回製作分は0.5W(電圧5V×一列当り0.02mA×4列×1.3昇圧時損失)程度。
約4分の一の省エネ(発光効率は80lm/W程度かな)

ポケットランタンとしては機能十分だと思いますが緊急時や災害時で使えるかと言うと……トイレに行ったり常夜灯かわりにはなるのかなと。


キャンプ用の専用器具と比較してみます。

GENTOS エクスプローラー・プロ EX−777XPが280lmであることを考慮すると、全然足らない結果となりました。

キャンプ用のランタンの代替品にはならないぞと。

*1:根拠はSould Outばかりだから

*2:買う段階でわかってたんですが