事務局は何もしなくていい&だけどやれ

インターバル時での話


審査員「先ほどの審査でも感じましたが、事務局はシートを渡すのが仕事でそれ以外何もする必要はないんですよ」

事務局「そうなんですか?」

審査員「当然です。一体事務局が何をやるんですか? 部門ごとの目的・目標や実施内容を考えるのは担当する部門です。それの進捗や評価も各部門が行わなければなりません」

事務局「はぁ」

審査員「そうでしょう? だから事務局が動く事はないんです」

事務局「なるほど。言われてみればそうですね」

事務員「なるほどじゃないでしょうに(苦笑)」

審査員「柾さんは違うと言うんですか?」

事務員「そこまで持って行けるなら、別に何も言いませんけど。誰がそこまで持って行くんですか? 事務局で?」

審査員「いいえ、違います。システムで決められた事をやるのは各担当でしょう」

事務員「だそうですよ。Iさん」

事務局「確かにその通りだと思いますが」

審査員「でしょう。だから事務局がやる必要はないんです」(得意げ)

事務局「柾さんは何を心配してるんですか?」

事務員「心配してないですよ。審査員がおっしゃる事が正しいなら、今のままで問題はないですし、審査員が力を入れて主張していた事を考慮する必要は部門もこちらもないってだけで」

事務局「それは?」

審査員「なんでそう考えるんですか? 違うでしょ。今は全部事務局や柾さんがやってるんでしょ」

事務員「いいえ。決められたシステム通りに運用されていますよ。運用さえれた結果が今の状況ですよ。だったら何も問題ないですよね」

事務局「ああ!!」(ポンと手を打つ)

審査員「それは違う。柾さんは思い違いをしている。先ほどもそうでしたが、シートに記載されていない環境配慮活動が出てきたじゃないですか」

事務員「組織の活動として実施されている環境配慮活動と、個人で実施している環境配慮活動を同列にしてるからでしょ」

審査員「それのどこが悪いんですか」

事務員「論外でしょ。そんなもん認めてたら客観的に評価できない」

審査員「やはり思い違いをしている。人が変わったら環境側面が変わっても良いのです」

事務員「別に、部門の方に『書くな』なんて事は言わないですが、結局それが『書かれているか、書かれていないか』は事務部門側ではわからない。それともそれを『環境側面が抽出されていない』としてマイナーかメジャーにでもしますか? お好きにどうぞ」

審査員「いえ、今回は『機会の改善』にします」

事務員「で、それを放置すると『マイナー』か『メジャー』になるですか?」

審査員「規格で、部門ごとに目的・目標を設定するよう要求されている」

規格 P57
4.3.3 目的、目標及び実施計画
 組織は、組織内の関連する部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し、実施し、維持すること。

審査員「だけどそれが、どこを見てもされていない。それともそれがあるの?」

事務局「………」(柾の方を見る)

事務員「(苦笑)ありますよ。先ほどから散々見てきたじゃないですか」

審査員「全体の目的・目標があるだけでどこにもないじゃない」

事務員「だからそれが、部門及び階層の目的及び目標でしょ。個別にそれを要求はされていない」

事務員「審査員が個人的に認めないのはどうでもいいんです。それとも規格でそれを認めないと?」

審査員「個別にとまでは書かれていないが、規格ではそれを求めているんですよ。行間を読めないんですか」

事務員「行間が読めているとは断言はしませんが、ISOを取得している他の企業も同様なところはたくさんあります。では何故認証し続けているんでしょう?いえ、何故今まで当方は認証し続けてこられたのでしょう? 見えなかったっていうレベルじゃないですよね? 審査員だって初めてここに来たわけでもないですよね?」

審査員「他の所はきっちりとやってる(キリ) 私が来たときは前回でも同じ事は必ず述べている」

事務員「なら、メジャーだろうがマイナーだろうが書けばいい。ただ、正確に書いてくださいね『部門ごとに個別に目的、目標が設定されていない』と」

審査員「先ほども言ったが、それだとそちらも大変でしょうから、今回は『機会の改善』にしておく」

事務員「どう書くか目に見えてる。あなたは前回来られた時も前々回来られた時も同様の事を記載している。もちろん『機会の改善』で。だが、それが放置されていてもメジャーにもマイナーにもなっていない。それが答えだ」

審査員「このまま放置すれば、『マイナー』になるのは間違いない」

事務員「だから、マイナーにしろと」

事務局「(マイナーは勘弁)……あの、話が変わっていますが」

審査員「そうですね。何度も言いますが、個人で環境配慮が変わるのは当然ですし、変わっていいんです」

事務員「あーはいはい。もう、好きにしたら? そんな個人のオナニーしてるかどうかやオナニーの仕方が分からないのは間違いないんだし」

審査員「、、、別に分からなくても良いんです」

事務員「Iさん、わかってる?」

事務局「わかってますよ」

事務員「審査員もわかってんの?」

審査員「当然ですよ。何が悪いって言うんですか」

事務員「まず、こちらでは評価できない点。書かれているか否以下の判断も出来ない。その段階で抽出漏れには出来ない」

審査員「だから、事務局は何もしなくていいんですし判断しなくて結構」

事務員「環境側面にはならない点」

審査員「なんでそうなるの。そんな事はない(キリ)」

事務員「個人の活動の範囲であり、組織活動ではない点。組織の活動との相互関係、つながりが不明瞭になる。少なくとも現状のシートでは表現されない」

審査員「そんな小さな事に拘っては駄目です。小さい男だな」

事務員「なら、『シートの有効活用』とか『本来の使い方』という表現は絶対にしないでください」

審査員「……」

事務員「最後に、仮に『著しい環境側面』になり、目的・目標を設定したと仮定しましょうか。審査員はどうにも、そこまでさせたがっているようですから」

審査員「させたがってはない」

事務員「人事異動や定年退職したら、それがすっぽりなくなるわけですね」

審査員「そんなことはない。著しい環境側面として設定され、目的、目標として活動している以上、それは引き継がれなければならない」

事務員「評価方法は個人の裁量に任せているのに?」

審査員「それも含めて引き継げばいいじゃない。何が駄目なの?」

事務員「側面の見直しで個人の物は変わると断ったはずですが?」

審査員「残すべきものは残さなければならない」

事務局「個人で変わっていいって言った……」

事務員「その判断は審査員ではなく、引き継ぎを行った人が『やる、やらない』を決めればいいわけですが、私はそのように正直にシステムで決められた形の事しかいいませんよ」

審査員「それでいいんです。何を問題に………」

事務員「『やらないとダメ』と聞かれても聞かれなくても、『やりたくなければやらなくていい』と。『前の方が個人的にやっていた事』と言います」

審査員「それはやらせなければ」

事務員「で、結局『事務局の努力が足りない』とか、そういう評価になるわけね」

審査員「事務局としてやるべきことはやらないとダメ。それは事務局が音頭を取るべきことだ」

事務員「部門の方は、結局の所、事務局に相談してくる以上、事務局次第な所があるのは理解できますよね? 何もやらなくていいっていうのはそれも含めて放置でしょ」

審査員「事務局の考えとして組織のEMSをよりよくしていこうとは思わないのか?」

事務員「結果として『良くなった』というのはあるでしょう。ですが個別に個人で実施している独自の目的・目標を設定して実施する事が『EMSが良くなる』とは思えませんがね」

審査員「あなたは真剣さが足らない。やらないよりやった方がよくなるに決まっている」

事務員「リソース無視で?」

審査員「それは組織が用意する事だ」

事務員「個人のオナニーにお金を出す組織がどこにあるんだっつーの」

審査員「組織がそれを活動として認めればいい」

事務員「事務局も部門の人も、それを認めさせる方向では動かないよ」

審査員「それはあなた方の怠慢なだけでしょう」

事務員「事務局。だそうですよ」

事務局「それって、変じゃ」

審査員「やらない方がいいと? やった方が環境に貢献できないとでも?」

事務局「やらないより、やった方が環境にこうけんできるでしょうけど」

審査員「ほら。やった方がいいに決まってる。柾さんの考えが間違っているんですよ。頭が固くなっているって言った方がいい」

事務員「それが業務なら文句は言いませんがね」

審査員「そんなに気になるなら、それを業務にすればいいんです」

事務員「うちは、ボランティア組織でも非営利団体組織でもないんですがねぇ」

審査員「またそんなことを言う。そうじゃないってことに気が付きなさい」

事務員「(考えを)変える気はないですが。やれと要求されている事は必要最低限。どこまで手を抜けるかを徹底する。やると決めた事はとことんやる。それが私のモットーなんで」

審査員「やると決めればいい」

事務員「やった効果が確認できない。効果があるかすら不明。組織への還元もない。そんなあやふやなものに時間なんて書けるのは馬鹿らしい」

審査員「還元とか言い出したら、環境活動なんて出来ない」

事務員「組織として果たすべき社会的責任について、過剰にする必要はないでしょう。要求されている最低限で十分。ニーズを満たしているか否かの二面しかない。後はリスクマネジメントの所掌と相談しながら積み上げていくかどうか程度」

審査員「過剰だと考えるかだ駄目なんです。満たしすぎる事のどこが悪いの。過剰にやったらやった分だけ周りは評価する」


という感じに、平行線なやり取り。
今回も私の個人的な考え方や主張は会話の中で述べられているので、これ以上の記載は特になしという事で。

審査員の主張が間違っているとも私の主張が正しいとも思っておりません。
評価は皆それぞれという事で、ヨロシク、オマカセ、シマス

今回の件で記載された『機会の改善』は以下の通り

機会の改善
環境側面抽出シートに記載された項目が「目的と目標」に反映されていません。
組織及び事業所として達成すべき目標とは別に、各部門が自主的に行うことで、環境改善できる項目(目標)との関連を明確化し、部門の業務の環境貢献度を実感させるよう、つながりを工夫する余地があります。(4.3.1 , 4.3.3)