行政への問い合わせは無駄だと思ってもしてみるものだ

遡る事、2010年の10月04日、法規制の改廃についての情報を調べ、一つの改廃について疑問があり、環境省へ質問のメールをしました。

以下が質問のメール

件名:大防法及び水濁法改訂に関する問い合わせ
お仕事ご苦労様です。

お手数ですが、標記に関する対応を行う為、下記に関して疑問がありましたのでご質問させていただきます。

1.排出抑制のために必要な措置
平成22年5月⑩日法律31による改正に基づき、大防法及び水濁法の「事業者の責務」に、「排出抑制のために必要な措置を講ずるようにしなければならない」と言う一文が追記されました。

この「必要な措置」というのは、具体的に何をすればよいのでしょうか?
また、どこまでを「必要な措置」として認められるのか不明であり、法的に要求されている範囲が分からない状況です。

具体的措置及びその範囲についてお問い合わせをいたしますのでご回答願います。

また、排出基準の順守状況によらずに措置をとるようにも読めますが、それでよいのでしょうか?

2.ばい煙の排出状況の把握

大防法の「ばい煙の排出状況の把握」について、当事業所では「A重油」を使用しておりますが、「排出状況を把握」する為には「密度」と「含有硫黄分」が必要となります。
この排出状況と言うのは何処までの精度が求められるのでしょうか?
 例えば、重油購入毎に重油の成分表を都度取り寄せ、そこに記載されている密度と含有硫黄分より求める方法をとったとしても、購入毎に成分値が変化している為、重油タンク内に前回の重油が残っている関係で現状のタンク内の正確な成分は不明となります。
その為、精密な値を求めう事はほぼ不可能です。

温室効果ガス排出量のように、「係数に代替する係数」はなにでしょうか?
ないのであれば、例年から購入している成分表から、おおよその基準係数を求めて、その係数を元に排出状況を求める方法でもよろしいのでしょうか?

3.地下への浸透の状況を把握

 水濁法の「地下への浸透の状況を把握」の「状況」とは、「地下への排水量」という意味でよろしいのでしょうか?
それとも、地下へ排水している「水の成分」と言う意味合いでしょうか?
また、「成分」となる場合、どの程度の頻度で「成分検査」の実施を要求されているのでしょうか?
(最初に実施すればOKなのか、定期的に実施を要求しているのか等)
特に測定頻度は、特定施設の有無にかかわらずなのかどうかも重要なポイントとなりますので、その旨も含めてご回答願います。

以上、お手数ですが回答をお願いします。

上記の質問に対する回答はありませんでした。

私は割と行政へ良く問い合わせをします。この時はほとんどメールや書面で、電話口では極力実施しないように心掛けています。
しかし、メールで送っても電話で回答を寄こす行政担当者の多い事この上ない。
こちらの意図は、メールでも書面でも「記録」が残る為、「公式な回答」を要求しているのですが、電話口になると「公式な回答」ではなく「対応者の個人的な意見」となり、いざ問題になった場合は「言った。言っていない」というトラブルになる為です。
廃掃法関係ではこの手のトラブルは多い事でしょう。*1

では時間は現在にも取ります。
所管の保健所より、排水に関するアンケートが送付されました。
その中に入っていた書類の一つに
水質汚濁防止法の一部が改訂されました」
というもがあり、そこに上記の質問に関する回答の一部が含まれていました。
それを含めて書きうつします

1.事故時の措置の拡大(法第二条第4項及び第14条の2、令第三条の3関係)
 一般の事業所であっても、指定物質(有害物質等)を取り扱う事業所(指定施設)で漏洩等の事故が起こった場合、応急措置の実施と保健所への届出が必要になりました。
 また、特定事業所で事故が起こった場合に届出の必要な範囲が拡大されました。

①指定物質とは?
 人の健康や生活環境への悪影響を及ぼす可能性のある物質のうち、政令で指定された52物質を指定物質と言います。

②指定施設とは?
 政令で指定された有害物質(26種類)を貯蔵・使用する、又は指定物質を製造・貯蔵・使用・処理する施設が「指定施設」に該当します。
 なお、農耕地や土木工事現場、タンクローリーなどは施設ではないため「特定施設」には該当しません。

③事故が起こったら?
 指定施設で人災・天災等により有害物質や指定物質が流出・漏洩し、敷地外に排出される恐れのある時は、直ちに排出・地下浸透の防止のための応急措置を講じる必要があります。
 また、その事故の状況と講じた措置の概要を速やかに保健所宛に届け出る必要があります。
 特定事業所では、今までおみゅうがい物質や油類の流出事故時に応急措置と保健所への届出が義務付けられていましたが、今回の改定では、それに加えて指定物質や一般項目(法第二条第二項第二号の項目)について排出基準に適合しない恐れのある水の流出事故時にも応急措置と保健所への届け出が必要になりました。
 届出の方法については、最寄りの保健所へお問い合わせください。

2.排出水等の測定結果のみ記録等に対する罰則(法第33条、規則第9条関係)
 特定施設を有する特定事業場では、排水の定期的な水質検査の実施と記録の保管が義務付けられ、意図的な義務違反には罰則が適用されるようになりました。

①水質検査が義務付けられるのは?
 特定施設のうち、有害物質を使用している事業所や一定規模以上の排出量がある事業所には排出しいの水質に排出基準が科せられます。
 排出基準の課せられている事業所は、一年に一回以上の水質検査が義務付けられました。
 なお、温泉を使用する旅館業に限っては、一部の項目(フッ素、ホウ素など9項目)については3年に一回以上の水質検査で足りるものとされています。

②水質検査の項目は?
 排水基準が定められている事項のうち、特定施設設置届出を提出した際に「別紙4 排出水の汚染状況及び量」に記載されていた種類・項目が水質検査の対象となります。事業所敷地からの排水路が多様で複数の排水口がある場合は、検査は排水口ごとに行います。

③水質検査の結果の記録保存期限は?
 水質検査結果は3年間保存しなければなりません。検査を委託した場合は計量証明書、検査を自ら行った場合は水質測定記録表とチャート等の資料が保管義務対象となります。

④罰則とは?
 排出しいの水質検査をしない、記録をしない、虚偽の記録をした、記録を保存しなかった、等意図的に義務違反を行った場合には30万円以下の罰金が科せられる事があります。

3.事業者の責務(第14条の4関係
 事業活動を行うすべての方に対し、汚水等の排出による水質汚濁の防止のために必要な措置をお願いするようになりました。
①「必要な措置」とは何をすればいいのですか?
以下の点に配慮していただけますようにお願いします。
1 ご自身の事業活動に伴う排水や廃液が何処に排出されているかのを把握しましょう。
2 水の汚濁負荷を減らせるように施設を整備・管理しましょう。

②「必要な措置」の強制はありますか?
 規制対象次号所以外については、現時点では上記措置は強制ではありません。社会を担う事業者としての自主的な取り組みをお願いいたします。

以上です。
直接回答がなかった点は残念ですが、、、まぁ、未回答の部分は機会があればまたしつこく質問しようと思っております。ただ、同じような疑問を持っている人の声が多ければ、回答は為されると思いますので、EICネット等で質問するのもよいのですが、可能であればどんどん直接質問メールを出しましょう。場合によっては今回の様に回答を得ることもあるんですから。
と言うのが本日の趣旨です。w


さて、今回のこの回答なんですが、少し前に、自営業者、、特にうどん屋さんあたりの排水を問題にしました。
今回の上記のような改訂を見るに、自営業であっても排水路に排出する場合は、今まで垂れ流していたけど、設備の設置義務が課せられてしまったとみていいでしょう。
まぁ、安価な方面の簡易排水装置ですら、相当の金額を必要としたと記憶していますから、保健所や環境省がどこまでやるかが見ものと言う所です。

*1:こちらも何度もトラブルに見舞われましたし