ゴミの有料化

各地域でゴミが有料化していますが、当方の居住地域ももうすぐ有料化になる事になりました。
お金をとって指定ごみ袋で排出している時点ですでに「有料化済みじゃね?」と思うんですがね・・・・・・・


有料化に関する知識がないので調べてみましたら、、、裁判までやってまとめられている方がいらっしゃった。

藤沢市のごみ収集有料化について

と言ってもいろんな情報があり過ぎてなんやらよくわからん。

地方自治法227条
普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収する事が出来る。

廃掃法20条
市町村は、市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に関し、条例で定める所により、手数料を徴収することができる。


色々裁判で入っていますが、簡潔に言えば「ごみの減量の為の有料化なんだから、ぐだぐだ言うな」と言うやつですか?
従来の粗大ゴミや特定ゴミは排出者自らが処分場に持ち込み、手数料を払って処分してもらいます。
その従来のやり方より、特定の者から手数料を取る事は可能とされているようです。

粗大ごみを処分場に持って行った方ならわかりますが、処分時に自分の名前とか住所とかを記載します。
一般ごみの有料化した場合、どのように従来の様な「排出者を特定」するのでしょうか?

藤沢市は戸別収集を実施している模様ですが、これは当初のもくろみと大きく外れた結果*1んだろうなぁって思います。

で、有料化の件なのですが・・・・
藤沢市のHPでは、効果があったと主張されております。
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/shigen/page202971.shtml
環境省が公開しているデータ

環境省のデータは年度ごとに集計公開でレイアウトもバラバラなので、そこから抜粋してまとめたのか下記表です。

1人1日当たりの排出量

  合計 生活系ごみ 事業系ごみ
  (ごみ総排出量) (生活系ごみ収集量+集団回収量) (事業系ごみ収集量)
  ×10^6/総人口/365 ×10^6/総人口/365 ×10^6/総人口/365
  (g/人日) (g/人日) (g/人日)
H12 908 672 236
H13 895 657 238
H14 897 651 246
H15 889 647 242
H16 864 629 234
H17 1,016 789 227
H18 1,039 805 235
H19 968 751 217
H20 912 873 39
H21 879 684 195

ごみ総排出量 (計画収集量+直接搬入量+集団回収量) (t)

  計画収集量 直接搬入量 集団回収量 合計
H12 115,628 10,044 0 125,672
H13 115,321 9,738 0 125,059
H14 115,789 11,222 0 127,011
H15 115,778 11,392 0 127,170
H16 114,016 9,825 0 123,841
H17 114,971 8,865 22,965 146,801
H18 117,538 10,015 23,584 151,137
H19 106,354 9,968 24,665 140,987
H20 100,759 8,553 24,194 133,506
H21 99,032 8,208 23,439 130,679

まとめデータ

どのデータをどのように見るか?で感想は変わってくると思います。

総人口は増えているので絶対排出量は増えて当然という見方もできます。
ただ、藤沢市の出しているデータは平成18年。上のグラフを見ると、有料化前における排出量がピーク時のデータです。
そして19年、20年のデータを出さず、一番低い最新の21年のデータで「減量の効果があった」と結論付けています。また、グラフもかなり懇意的に数値操作されています。

注目点は、有料化により、個人のゴミ排出量が削減されたかどうか? と言う点でしょう。

藤沢市が懇意的と申し上げた点は、一人あたりの総排出量に対して資源化数量を引いた数値を出している点です。
一人あたりの総排出量は減っていません。

資源ゴミはゴミじゃないというのが行政側の考えなのでしょうが、家庭に対してはどちらもゴミです。
産廃を見れば、結果として資源化された廃棄物に対して、「じゃぁ、中間処理でゴミじゃなくなったから、マニフェストは不要だよね?」とはなりませんから、この場合は行政側の考えが実態に合っていないという所でしょう。
ゴミじゃないと言い張るなら、「じゃぁ有価物として買い取れよ」って言いたくなりますしw

この点からわかる点は、有料化による効果は減量ではなく分別です。
というのも、藤沢市可燃ごみ不燃ごみ粗大ごみは有料ですが、資源ゴミは無料です。
家計を抑えたいと思う人達が、可能な限り資源で出せるものは出す方向にシフトした結果と取れます。

逆に言えば、資源ゴミも有料指定袋を使用している自治体では、有料化に良ゴミの削減効果は期待できない可能性が高い目算となります。
(双方有料でも価格差をつけるという方法もあるでしょうが・・・)

ここまでの結論
「ごみの排出に対して有料化(課金)しても家庭から出るゴミの排出量は変わらない。有料化による効果は一定の条件下で資源ごみの量が増える可能性がある」


データを見た上での感想結論ですが、後分は「可能性がある」としました。
というのも、ここからが有料化の本質的問題で、藤沢市は有料化に当たり、
1.ゴミの分別ルールを事前に設定していたが、一向に資源ゴミの量が増えなかった為、有料化に踏み切った
2.ゴミの分別ルールの導入(細分化)に合わせて有料化に踏み切った。
この二点のうちどちらなのか?と言った所でしょう。

その点について藤沢氏はごみ処理有料化の導入に関する基本的な考え方についてと言うのを公開していました。

中身を見ると、生活保護受給者有料化の対象外となっている。
おいおい(=_=;

この資料では上記二点に関する回答は得られなかった。
そして、結果として有益なデータを見つけることはできませんでした。

どうにも実態は「ごみ削減」じゃなくて、減る税収に対してごみの処理費を別途撮りたいというのが行政側の本音といったところでしょう。

本日の所はこれまで(以降はまたデータが手に入り次第という事で)

*1:裁判を起こされて反対されるとは思っていなかった