事業計画と実施計画 その1
本日は、事業計画と実施計画に関して、「=」「≒」「≠」と言う様々な考え方の違いについて考察するのが主旨です。
その1は「=」と言う考え方。
柾の主張でもあり、「実施計画とは事業計画(イコール)である」と言うものです。
ISO14001に限らず、他の規格でも規格毎に「PDCAサイクルを回して管理する」という形式の為、環境、品質、情報など、個別に「目的・目標」を設定し「目的・目標に対する実施計画」を作成して活動する事業所及び事業者は、、、どれだけいるのか不明ですが、「なんで分けるの?」と言う疑問しかありません。
こういう事業所は方針が個別に存在するんだろうなって思います。
では、なんで個別に事業の活動計画を分類する原因はなんだろうか? と言うのを考えますと、、、「目的・目標を各部門毎に設定しろ」と言う要求がある為、「ISOの弊害」が発生したんだと予測しまています。
4.3.3 目的、目標及び実施計画
組織は、組織内の関連する部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し、実施し、維持する事。
予測の背景は、このように、「目的と目標を実施しろ」とあり、各組織は「環境の為の目的、環境の為の目標、環境にために作られた目的目標を遂行する為の実施計画の策定をしなければならない」という思い(込み?)が生まれた及び審査員閣下による「部門の目的・目標を提示しろ」という口撃により各事業者は別途準備する物と言う認識が出来上がった。というものです。
もし、審査員閣下が「目的、目標の欄には事業目的、目標を記載し、実施計画は事業計画の中で環境に関する著しいと判断した部分の実態を評価評価しなさい」というコメントであれば、私は閣下を支持したでしょう。
おしい所までは言う審査員もいるんですけどねぇ・・・・
残念な審査員のコメント
「本来業務の中から環境側面を抽出し、著しい環境側面として特定し、それを目的・目標としなさい」
著しい環境側面に関する要求は、「考慮しなさい」です。「管理しなさい」でも「目的・目標に設定しなさい」でも「実施しなさい」でもありません。
「著しい環境側面に配慮しなさい」な〜んてこたぁ書いてないです。
そして面白い事に、規格は、目的・目標を設定する時に「著しい環境側面を考慮に入れる」と言う要求はしていない点です。
規格要求 P57
目的及び目標は、実施できる場合には測定可能である事。そして、汚染の予防、適用可能な法的要求及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善に関するコミットメントを含めて、環境方針に整合している事。
ではどこで入っているか? これも規格に明確に書いています。「レビューするにあたって」と。
規格要求 P57
その目的及び目標を設定しレビューするにあたって、組織は、法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れる事。
つまり、事業目的・目標の進捗状況の確認、結果の評価項目の中に、「著しい環境側面をチェック対象に入れやがれ」と言うのが規格で要求しているにすぎません。
環境その他の規格の為に用意された、「目的一覧表」やら「実施計画管理シート」など、本来存在する方が変じゃないの?
さらに言えば、規格では「著しい環境側面や法的その他要求事項に対して、どうだったか?」までであり、著しい環境側面や法的その他の要求事項に対して「配慮した結果を求めてはいない」
と言うのが、私の認識です。
結論:別途実施計画を作成するのではなく、事業計画の評価に著しい環境側面に関してもレビューをするのである為、ISOで言う所の実施計画とは別途作成されたものではない。実施計画とはISO用語であり、中身は事業計画のことである。
あくまで私の認識の中身の話であって、他の解釈に基づく「事業計画=実施計画」はきっとあるでしょう。
本日はここまでで、次回は「≒」か「≠」について記載したいと思います。