データ圧縮技術における省エネ効果について

別件で検索して偶然EICネットのQ&Aが引っ掛かり、その内容を見たうえでの話です。
(しかも回答がこれまた偶然にも同志たいがぁ様ではありませんかw)


本日は考察が目的で、内容は表題通りデータ圧縮による省エネ効果についてです。
表題にあるデータ圧縮技術が進むことで、私個人はすごい省エネ効果があると感じておりますし、経済的にも非常に有効な技術だという感想があります。
(質問者自体はマクロな視点での回答を求めておりますが、これはきちんと交渉することで省エネ法とプリウスの関係にまで持っていけると考えております。)


今回の圧縮についてですが、質問の中では「2GByteの通信を行っている場合に外部への通信を50%削減し1GByteになった場合」とありますので、通信量が50%削減(圧縮)という前提で話を勧めます。

大まかなプロセスは以下の3点でしょう。

1.データ圧縮
2.データ送信
3.データ解凍

元々通信するときはデータを通信用に変換されますが、圧縮率が高くなるということはその分アルゴリズム辞書が膨大になったことを意味しますので、圧縮と解凍に時間がかかるのが常です。この分の「増加分」は「非省エネ」といえます。*1
次に2に関しては、単純に言えば通信設備の運転時間*2が半分になり、待機時間が二倍になる為、通信設備全体の消費電力が半分とはいかないまでも、20%〜40%は消費電力が減っていると期待してよいでしょう。

通信量が減るということは、通信渋滞も減るということであり、通信設備の応答待ち時間が減ることによる業務効率改善効果やら省エネ効果やらはプライスレスという所です。
ニコニコ動画、ユーチューブなどの動画サイトを利用する場合は、読み込むデータ量が多い為、特に恩恵を受けることができます。
他には、ネットでの調べ物の時間のうち、通信待ち(ページが開くまでの待ち時間)が減る範囲では省エネでしょうし、特に無線機器、、、スマートフォンなどのバッテリーに大きな影響を与えます。*3
FLASHなんかもサクサク読み込むことでしょう。

当然新規格なので、恩恵を受けるのは送信元と受信元が新規格に対応していなければならないという所なのですが、、、
基本はドライバの対応で済むような気もしますので(ソフトウェアの問題)、アップデートすることで、普及する場合の速度をコントロールできるかと考えます。

さて、ここまではISOというより省エネの話なので、カテゴリーっぽくISOに話を移します。
ISOでいえばこれこそが「間接影響」と言えるもので、審査員閣下が審査をするときはこういうのを見逃さずに評価すべき点でしょう。
はっきり言って社内の通信量を半分にした場合の省エネ効果なんてのはどうでもよく、利害関係者へのインパクトをきちんと「著しいかどうか」を評価する仕組みになっているかをチェックするのが閣下の本来業務といった所です。
しかしながら閣下は、「本来業務」という言葉を使う割に、その事業所の「出荷する製品」に関するコメントに対して具体的なコメントやら改善の機会を出した。などという話をほとんど耳にしません。逆に耳にする物の大半が「環境側面」ばかりで「間接」という言葉を使いつつ話す内容は直接の部分のみにとどまっているケースばかり。

経験則でなかにはそのような事ばかりではないのは知っているのですが、そういう閣下に限って「予定でかまわない」「確定でなくて構わない」「側面として環境に影響を与える効果が期待できる部分を探してかけ」という始末。
やはり結局製品の製造までの話で止まり、流通時の影響については一切ないのが残念なところです。
ISOの規格は直接というマクロな部分だけでなく、間接という大局的な部分も含まれているのですから、もっと視野の広い審査を実施してほしい所です。

本日は以上。

*1:圧縮するデータの種類ごとにアルゴリズムを使い分ける場合はその限りではないのですが

*2:稼働時間ではない

*3:電波を飛ばすのは結構電力を使う為