LED灯は蛍光灯代替品となりえるのか?

消費電力が大きく、尚且つ常時使用しがちなものとして、家の照明器具に注目してみます。
廊下の照明などは、それほど明るい物でなくてもOKでしょうが、居間のような場所ではそれなりに明るくないと生活していくうえでは不便だと思われます。

そこで、LEDを使って蛍光灯の代替品は製作できるか? という点に着目してみました。

現在、家で使用している蛍光灯のW数は、居間が30W+32Wの円形タイプ。台所が40W×2の棒タイプ

まずは、照明に向いたLEDの選別の必要性があるので、特性を調べてみる所からはじめました。

今回使用したのは以下の通り。*1


N O:N O:N O:N O:N O:N O:
指向角:25°指向角:20°指向角:指向角:15°指向角:60°指向角:60°
輝 度:4000mcd輝 度:15000mcd輝 度:13000mcd輝 度:25000mcd輝 度:6500mcd輝 度:15000mcd
型 式:SLP-WH36A-81型 式:LD564W3CD2B02P型 式:LA504W3CA型 式:OSPW5111A-YZ型 式:OSWT5161A型 式:OSPW5161P

電圧・電流特性

電圧別照度値

電流別照度値

(実際に流れた電流値から、1mAの照度値を求め、その平均から算出)

電圧別照度はぶっちゃけ、LEDごとに規格が違うのでそのままは参考に出来ないかと思われ。
ただ、低電力に拘るなら、電圧の低くても照度が高い物を選択(流れる電流値にも気をつける必要はあるのですが)するのも手です。

実測値の掲載は行いません。
ちなみに、蛍光灯の明るさと比較すると、上のグラフの桁が一つ上がったりw

拡散特性までは、まだ調べていませんがいずれ調べる予定。

単純に数値だけを見ると、第一候補としては「LA504W3CA」第二候補としては「OSPW5111A-YZ」が挙げられます。
しかし、今回比較したLEDの他にも沢山の種類のLEDがあるので、そちらのLEDも手に入れて数値化する必要があると感じています。

また、今回は電圧における電流値特性のみですが、実際は時間ごとの電流の流れ方も調べる必要性は十分にあると感じているため、そちらの調査も行っていきたいと思ってます。


では実際に作成した見ます。

使用LED:SLP-WH36A-81
使用個数:100個

今回比較した中では一番性能が悪いLEDを使用しています。これを選んだ理由は簡単で、単純に“製作コスト”が他のLEDに比べて格段に安いという点と、秋月で購入した為、未使用の物が余りまくっているという点からです。
だって、500個一袋なんだもん。

使用したACアダプタは、リサイクルショップで売られていた物を使用。
無負荷時で37V。このLEDの電流特性からいえば、3.7Vで20mAとちょうど良いので、直列で10個使用したものを10列ほと並列化

特性を調べた結果から、電流を制御する為の定電流ダイオードや抵抗を使用する必要もなしと判断しました。

ケーブル周りを整頓するカバーを使用し、100個ほど並べてみました。
LEDの間隔は1cmで、整頓カバーの長さは1mなのでちょうど100個取り付け可能です。

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 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○=
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


単(1個当たり)直列(1列当たり)並列(全体)
電圧電流電力電圧電流電力電圧電流電力
規格3.8V20mA0.076W38.0V20mA0.76W38.0V200mA7.6W
設計3.7V20mA0.074W37.0V20mA0.74W37.0V200mA7.4W
実測------34.2V177mA6.1W
Wはあくまで製作したLED灯の部分のみで、ACアダプタが消費する電力と損率とかは測っていません。
そこまで測ろうとすると、ワットチャッカーでは不十分なので、それなりに高額な計測機器が必要になってくるので。


負荷時とか実際に流れた電流値からみると、LED1個あたりの電流値は許容内だと思われます。
ただ、LEDは熱を持つと流れる電流値が増加する傾向があるので、長時間使用したときの電流値が気になる所です。


問題の照度のほうですが、蛍光灯に比べるとかなり暗いです。
まとめページの方には、蛍光灯と比べた時の写真と照度値を掲載したいと思いますが、いまはまだ用意していません。
しかしながら、暗いと言っても“蛍光灯と比べて”という前提です。
ぶっちゃけ、廊下などのそれほど明るさを必要としない場所なら十分です。
100個の奴をもう一組か二組ほど作り、並べて台所の照明として代用させても遜色はありません。
300個使用した場合でも、計算上の消費電力は23W弱なので、現在の80Wに比べて三分の一以下に抑えられますし。横方向への照度の拡散も、白色キャップを使用しなくても問題ないと判断してかまわないと思われ。

一番着目したい点は、今回使用したLEDは一番性能が低いと言う事です。
つまり、上のグラフを参照してもわかるように、もっと性能の高い物に切り替えればそれだけ高い照度を望める事になります。
製作コストが馬鹿になりませんが。

ちなみに、LEDの後ろにアルミホイルを貼り付け、作成したLED灯を天井に取り付ける際、同じように反射用のアルミ板を天井に設置し、その上にLED灯を取り付けています。アルミ板を取付けていない時の明るさとも比較し感覚的には対して変っていないように感じていますが、LEDの特性を調べる範囲でLEDの後ろに照度反射用のアルミホイルを適当に設置してデータを計測していますが、大体15%ほど照度値の違いが見られました。やっぱり数値化すると違うようです。

追記

参考までにグラフ化したもの。

Aはアルミホイル使用時の照度。
Cは白色キャップ使用時の照度。
C&Aは白色キャップとアルミホイル使用時の照度となっています。

*1:グラフは実測した数値をエクセルでグラフ化した物