「自覚」の意味について


実話です。



「環境活動は宗教と同じだ」という人は、ブログとかで偶に見かけます。「宗教」という事ですと、「布教活動」を行っている人と、その布教活動に「影響を受けた人」がいるのかな?と思ってましたが、いました。身近にw




あらまし1

審査員より、ある部門の担当者Aに対して「こういう製品があるから検討してみてはいかがでしょうか?」というアドバイスがあった。
同僚は、担当者Aが製品の導入を検討するのが当たり前だと認識をしていた。
私は、担当者Aは製品の導入を検討しないのが当たり前と認識していた。
同僚は、そのアドバイスを記録に残した。
私はその記録を見て「【検討する】と記録に残した以上、事務局としてどう対応するつもりなのか?」と問いかけ、記録に残すという事がどういう事かを説明し、そのアドバイスを記録から削除するように言った。
しかし、同僚はそのアドバイスを消す事に対して反対した。



同僚:「審査員が【検討してみては?】といった事は、言われた方は検討するのが当たり前でしょ」
私:「検討しませんよ」
同僚:「じゃぁ、何の為の自覚教育なんだ?自覚しているってことはそういう事でしょ」



彼の考える自覚とは、要約すると下記の通りです。
・環境のイベントには積極的に参加するようになる。
・エコ製品があれば導入を言われなくても(自主的に)検討をする。
・環境への取り組みを、周囲に対しても積極的に参加を呼び掛けるようになる。




環境教育って、相手を洗脳することだった!?




または


環境教育って、教祖のありがたい説法だった!?





おら、びっくりしただよ。


環境教育を受けた人は、
スーパーやコンビニでは袋を断るのが当たり前になり
ゴミの分別は必ず守るようになり
車を乗るのをやめ、自転車や電車で通勤するようになり
空調の設定温度はどんなに暑くても28℃から下げず
空調の設定温度はどんなに寒くても18℃から上げず
メモは広告チラシの裏を利用し
ガスはエコジョーズエコキュートといった製品に改修し
家の屋根には太陽光パネルを設置し
洗濯物は風呂の残り湯を利用するようになり
早寝早起きになる
という人間に変身させる教育(改造)の事である。




そういうことになります。




ありえねーw

だけど、彼はそこまで出来て「自覚」との事。
あらまし2(続き)

私は事務局の業務を説明し、記録を残す意味を再度説明。
しかし、同僚は違うという。
彼の考える事務局の業務とは、現場から送られてくる情報を取りまとめる事。情報を現場に発信する事。

私:「事務局の業務は、各方面への調整も含めて必要ですよ」
同僚:「それって、エコレディ(秘書や総括部署の人)の仕事です」
私:「エコレディは知りませんが、記録に残すというのは記録を残した人が、その内容について音頭をとるのがあたりまえですよ」
同僚:「違うでしょ」
私:「違わなくないですよ。同僚さんが前の会社でどのような仕事をしてきたのか知りませんが、ここでは【検討する】と記載した場合、【検討結果】を事務局は把握するのは当たり前です。検討させるように働きかけなければなりません。そして、担当者Aがどのような検討を行い、どのようないきさつで、どのような結果になったか。つまり、PDCAを回すことになりますから、事務局として監視測定は必要になります。よって、事務局は担当者AがPDCAを回す為に必要な行動を行う必要が発生します。もちろん、サポートも必要になります」
同僚:「そこまでするんですか?だって、検討するのは担当者Aでしょ」
私:「検討しなかったらどうするんですか?」
同僚:「それは、検討しなかったという結果を、、」
私:「【検討しない】という選択肢はないんですよ。先ほども言いましたが、検討させなければなりません。最悪は事務局が検討を行い、それを担当者Aが検討した形にすらします」
同僚:「なに、それ?」
私:「記録に残すという事は、少なくともこの組織では、『言いだしっぺ(記録に書いた人)がPDCA回させるんです』。その責任が生じるわけです」
同僚:「それって変でしょ。指摘を受けたのは担当者Aでしょ」
私:「誰が指摘を受けたか?なんて関係ないですよ。『検討する』と記載したなら『検討結果はどうなったのか?』と問われるのはどなたですか?担当者Aではなく、事務局です。だって、事務局が書いた記録に【検討する】と書いてあるんですから、事務局は答えられて当然ですし、PDCAが回っていなければなりません」
同僚:「いや、でもそれは・・・」
私:「だから、記録に乗せると、同僚さんは担当者Aさんに対して【検討してください】という調整と、【進捗はどうですか】という確認と、【検討結果はどうなりましたか?】という問い合わせは最低限必要になりますし、担当者Aに対して【検討させる】ことと【検討内容を進めさせる】ことと【検討結果を出させる】ことも必要になります」
同僚:「そんなことまでしなきゃ駄目なの?」
私:「駄目です。だから、私は同僚さんの事を考えて【削除した方が良い】と言っているんです。出来ると言うなら書いててもらって構いませんけど、、、ただ、なにも自分の首を絞めなくてもいいんじゃないですか?」




まぁ、ここでまた「自覚」とか言い出したんですけどね。
私の所属する組織の事務局の価値観が、他の事務局と剥離しているのかどうかは不明です。




彼の考える「自覚論」がどこにあるかは置いておくとしても、私が「面白いなー」と思ったのは、同僚は他者に対して「自覚」という「自主的な積極性のある行動を要求」しているのに対して、自身の事になると「自覚」はなくなり、受動的な消極的になるという点です。




仕事は積極的にしましょうね。




結果としては、私の要求通り記録から「検討する」という部分(一つではなかった)はすべて削除されましたが。








ここまで来ると、彼が前の会社で実施していた環境教育という物に興味が出てきます。
彼は前の会社でも環境の事務局をしていましたから、このやり取りを読んだ人なら、彼の会社の人間は彼の「自覚論」が浸透していて当然。と思う事でしょう。


結果から言うと、「eラーニング」という形で【業者に録音を依頼】しており、同僚は職員に対して環境教育の【講師はしていなかった】そうです。



なんだかなー。


規格要求

4.4.2 教育訓練及び自覚(P63)
(前略)次の事項を自覚させる為の手順を確立し、実施し、維持する事

a)環境方針及び手順並びに環境マネジメントシステムの要求事項に適合することの重要性

b)自分の仕事に伴う著しい環境側面及び関係する顕在又は潜在の環境影響、並びに各人の作業改善による環境上の利点

c)環境マネジメントシステムの要求事項との適合を達成する為の役割及び責任

d)規定された手順から逸脱した際に予想される結果

規格の範囲では、彼の中にある「環境活動に対して積極的になる」という所までは要求されていませんでした。




しかし、彼は「バブル世代」です。私と違って親子と同じくらい年が離れています。つまり、超経験豊富なわけです。
(そういう人を部下に持っているわけですが、、、、)
そんな人が言うわけですから、私の「自覚」に関する認識が間違っている可能性も十分あるわけです。
となると、私は少しでも早く、私の認識が間違っている事を「自覚」しないと「まずいかも」とガクブルするこの頃です。




ちなみに、私は今回は「削除を要請」しました。
ですが、アドバイスの内容が本当に検討に値するなら、記録には残す又は記載しています。
「検討の価値なし」及び「検討結果が見えている」という部分が強く、費用対効果が望めない。検討してそれを入れた所で、組織に対してなんら利益をもたらさない内容。だったという点についても留意願います。








つーか、そもそも検討項目にある製品の管理者は、別の会社であってうちの会社の所有物じゃねーし。