有効性審査って何?

ISOの有効性審査について、JAB側が要求している事はその背景に「信頼性」があります。
その為、JABが要求している本音は「ISOを認証取得している事がどれだけ企業に有益な事なのか?を企業側に提示しなさい」と言うものです。
建前については「ISOの要求は機能しているかどうか?」と従来と変わりありません。「有効に実施されているかどうか」も従来の審査の対象範囲であるからです。


ただ、改めて審査機関に要求したという事実はあり、それは従来の「有効に実施されているか」とは別と見るべきでしょう。
なので、建前上は変わらなくても本音は「認証取得する事は素晴らしいですよ」と言うアピールを命令したわけです。


ただこれ、「誰に対して?」なのでしょうか?


1.認証取得している企業に属する「職員」に対して
2.認証取得している企業と取引のある「会社」に対して
3.保健所及び県等を含む地元の住人や行政に対して
4.マスメディアに対して


結論から言えば「全部」です。
JAB側は危機感を持っているわけです。
QMSにしろEMSにしろ他の物にしろ、一つでも「認証取得の有用性」が疑問視されたら、JABの管轄するすべての規格の有用性が疑問視される事になるからです。
最終的には、組織の存在意義を問われる所まで行きます。


イムリーな話題でいえば、原子力エネルギーの有用性とそれを管轄・指導・評価する機関の有用性の関係ですね。
エネルギー政策上、資源の問題をクリアできる原子力エネルギーは有効性が高くてエコロジーなエネルギーです。
ただし、利用するには非常に高度な技術と高品質の管理レベルが要求されます。
その為に、それらを管轄・指導・評価する機関が複数あり、予算審議なしに予算が確保され優遇されてきました。(電源利権)
優遇されてきた背景には安全性において非常に危険なエネルギーだからです。
ですが、結果として管轄・指導・評価する機関すべての有効性がなかった事が、福島第一原発事故で世間に証明されました。


この結果は、日本は原子力エネルギーを取り扱えるレベルには無い事が証明されたのです。




この関係がそのままJABにも適用されます。組織は、世論や国際社会から「JABってあってもなくても一緒だね」と言う評価を下されたら、当然なくさなければなりません。
利権の問題で組織は残るかもしれませんが、会計監査員によって監査された時に、こたえられずに事業活動の縮小はやむを得ないでしょう。


と言う背景がある為、JABの認証を受ける事は、客観的信頼性を担保しているという「説明をしろ」と、審査機関に暗に言っているんですね。




実際、認証している組織が不祥事を起こしたりもしています。
頭の良い人ならこう思うでしょう。
「何の保障にもならない」
と。


なので、JABの認証って「根拠の無い安心感を他者に与えるだけの物」であって、「安心を評価して保証している物ではない」のです。


うまくいってないから「リスクマネジメント」なんて言葉が出てきたんですけどね。


審査機関さん。
JABと手を切った方がいいんではありませんか?