内部監査の実施回数

規格 4.5.5 内部監査
組織は、次の事項を行う為に、あらかじめ定められた間隔で環境マネジメントシステムの内部監査を確実に実施する事。

規格では「あらかじめ定められた間隔」と定められており、当事業所はこんなものを毎年(年一回)実施しております。
監査そのものは否定しませんが、EMSや他の監査(内外含む)を合計すれば、一年で実施される監査の回数は片手の指では数えきれません。
EMSで年三回(年度によっては4回)、安全で年2回、品質で年1回、高圧ガスで年1回、情報セキュリティで年1回、所長によるパトロールという名目の監査が年1回
ああ、忘れていました。
会計に関する監査も実施されます。

一般の企業様ではこの回数は信じられないかもしれません。しかも、当然監査の為の手順はみんなバラバラです。

不適合が減少し、改善に繋がる監査であれば、何回やっても良いんですけどね。
ただ、ここまで回数が多いと「改善ってなに?」と思ってしまいます。
(だって、監査を実施してきた結果、これだけの回数の監査の実施が必要という結果になってるんだもん)

このような状況下なので、
「EMSの内部監査は二年又は三年に一回か、毎年やるなら部門はサンプリングにしたい。」
という主張をしたのですが、同僚や上司からは反対されました。被監査部門は大賛成だったんですけどね。


では本題。
内部監査には限らない話ではありますが、「あらかじめ定められた間隔」という物の、適切さってのは、何によって推し量るのが適用なのだろうか? という疑問です。

不適合の発生率などで推し量るのも一つの手段かもしれませんが、そういうのはむしろ「目的・目標」といったプログラムの領分である。とまぁ、思うわけですよ。

「何かを減らす、何かを伸ばす、何かを維持する」

どれもが、目的・目標に当たる物です。この辺りはまぁ、物作りの会社であれば、「決済間隔」という考え方が一般的かと思われますが、「製品の生産台数毎」という考え方も一つの目安です。


ISO14001は「特定の業種に傾倒しない、オールマイティーに適用可能な規格」ですから、もうちょっと汎用のある考え方をします。

ISO的に見れば、内部監査は「PDCAサイクル」の「C」に該当しますから、設定された環境計画の「期間」が一つの目安になるのでしょう。
例えば、省エネ法絡みで「CO2の排出量を年1%削減」という目標を掲げていたとします。

「年1%」ですから、この計画に関する内部監査は毎年実施する。

という決定方法があります。まぁ、省エネ法は「5年平均で年1%」ですから、毎年ではなく5年に一回という決定方法でも良いかもしれません。
他に設定されているのであれば、個別に内部監査(サンプリング審査)を実施すると言うのも手段の一つです。

あとはこの考え方が「審査員閣下に通用するかどうか?」という所でしょうか。

ただ、欠点があると言えば「目的・目標」を設定していない事業所です。
EMSの内部監査なんてやる必要が無いように思えますが、規格では「あらかじめ定められた間隔」と規定されています。

要求事項的にいえば

規格 P83
1) この規格の要求事項を含めて、組織の環境マネジメントの為に計画された取り決め事項に適合しているかどうか
2) 適切に実施されており、維持されているかどうか

という内容ですから、目的・目標が無ければ「EMSが規格の要求事項を満たしているかどうか」のみとなります。
それについても、サーベランス審査で実施され、評価されているのです。(しかも有料で)
なので、環境プログラムの無い所で内部監査をやる必要はあるのか?という疑問しかないわけで、、、

なんか、要求事項が「目的・目標を設定されている」ということを前提に作られているような、、、、、



とまぁ、回数だけでも、本来は色々考える余地があるのに、どうにもそういう話を耳にせず、「年一回」が定着しているようで違和感を感じてしまうわけです。
(講習会では、サーベランス審査が年一回あるから、内部監査も最低年一回実施しなければならないと言う「変じゃね?」説明でしたし)

規格なんだから、推し量る適切な評価基準を提示するなりしてほしい所。
回数一つとっても「適切」という判断は非常に難しいです。

いじょ